1.「2020年明治大学政治経済学部第一問」の概要
解答時間(目安)は20~25分。
出典は國分功一郎さんの
「中動態の世界 意思と責任の考古学」です。
暴力と権力の違い
ミシェル・フーコーの権力論
を説明した文章です。

ミシェル・フーコーは有名なフランスの哲学者だよ。
2.「2020年明治大学政治経済学部第一問」で必要な能力
- 文章の構造を読み取る能力

どこにどんな話が書いてあるかを把握しておくと
答えの根拠を探すのが早くなるよ。
- 言葉の定義をとらえる能力

説明文を読むときには言葉の定義(A=Bみたいな部分)に印をつけましょう。
- 素早く解答方針を立てる能力

問題の種類ごとに考えないといけないことがパッと思い浮かぶようにしておこう。
3.「2020年明治大学政治経済学部第一問」の文章はこんな感じ
暴力は物理的な力で相手を押さえつけます。

相手の手を押さえつけてトイレ掃除をさせる話が文章中に出ていたね。
一方、権力は暴力などを背景に
相手に行為させるという性質を持ちます。

相手に銃口を向けて掃除をさせるというのが権力を使って相手をコントロールする例です。
行使する側は能動的で
行使される側は受動的だという図式が
暴力では成立します。
しかし、権力の行使では
権力を行使される側は
強制されてはいるものの
自ら行動しているので
中動的であると言えます。

中動的は能動的と受動的の間の概念だね。
フーコーが権力概念の刷新に
苦労したのは
権力を行使される側が
中動的であるという部分が
うまく理解されなかったためだ
ということが説明されています。

普通の人は「能動/受動」という捉え方をしてしまうからね。
4.「2020年明治大学政治経済学部第一問」の問題
「2020年明治大学政治経済学部の第一問」の問題を確認していきましょう。
4.1. 問1(接続語の問題)
【思考の流れ】
①接続語の問題なので前後の関係性を確認する。
②空欄aの前後で話題が変わっているので
「では」・「ところで」の①・③・④が残る。
③空欄bの後がトイレ掃除をさせる方法の
具体例になっているので「たとえば」
が入る。①・④が残る。
④空欄c・dは「譲歩→主張」の流れに
なっているので
「たしかに」・「しかし」が入る。
よって、①が正解。
4.2. 問2(空欄補充問題)
【思考の流れ】
①空欄補充なので近くにヒントがある可能性高い。
②空欄Xの段落の
次の段落が
具体例になっているからヒントになりそう。
4.3. 問3(空欄補充問題)
【思考の流れ】
①空欄補充なので近くにヒントがある可能性が高い。
②空欄Yの段落の内容を確認。
③暴力は行使される側の能動性を奪う。
④権力は行使される側の能動性を前提にしてる。
⑤暴力と権力の目的は異なる。
4.4. 問4(理由説明)
【思考の流れ】
①暴力を話題にしている部分から探そう。
②文章の前半に答えの根拠がある可能性が高い。

文章の後半は権力の話がメインだからね。
③空欄dの文から
「相手の自由を奪う→受動的な状態になる」
ということが分かる。
4.5. 問5(理由説明)
【思考の流れ】
①傍線部の近くの指示語はヒントであることが多い。
②「こう」=「暴力は『あらゆる可能性を閉ざす』」
③「あらゆる可能性を閉ざす」=暴力を受ける側が何もできなくなる
④「暴力を受ける側が何もできなくなる」と同じような意味の部分を探す。
4.6. 問6(言葉の説明)
【思考の流れ】
①「権力の関係」が話題となっている部分を探す。
②後ろから4つ目の段落に注目。
③「権力の関係は、能動性と受動性の対立によってではなく、能動性と中動性の対立によって定義するのが正しい」という文を見つける。

「権力の関係=○○」という形の文だね。
④ ③の文を35字以内に収まるように改造する。
4.7. 問7(文挿入)
【思考の流れ】
①文挿入問題は挿入する文の話題・指示語・接続語がヒントになることが多い。
②「この事例」
↓
直前に事例が書いてある部分を探す。
③挿入する文の内容からトイレ掃除の事例が書いてある所に入ると想定。
④「この事例」は「暴力行使の事例」を指す。
4.8. 問8(内容一致)
【思考の流れ】
①選択肢を確認。
②内容一致は選択肢と本文を照らし合わせ。

ベタな選択肢の作り方(本文とは逆の内容・関係ない話など)ですね。
5.「2020年明治大学政治経済学部の第一問」の感想
著者の意見を述べるのではなく
フーコーの権力概念を
紹介した文章です。
文章の構造と
出てくる言葉の定義を抑えることが
説明文の読解において重要だと思います。
問題は標準レベルですが
文章を読むのに時間がかかりすぎると
苦しくなるかなと思いました。
1.「2020年明治大学政治経済学部の第一問」の概要
2.「2020年明治大学政治経済学部の第一問」で必要な能力
3.「2020年明治大学政治経済学部の第一問」の文章はこんな感じ
4.「2020年明治大学政治経済学部の第一問」の問題
5.「2020年明治大学政治経済学部の第一問」の感想